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2017
09

原始ピュアネスを伝えるソリッドゴールド

ローマン・ジュエラーにしてウォッチメゾンたるブルガリを象徴する腕時計が「ブルガリ・ブルガリ」だ。ロゴを大きく刻んだデザインは、時代の要請やその時々のデザイナー、経営者の試みや思惑などが交錯して、時々刻々と変化を遂げた。メンズモデルに限定すれば、ここ数年は——CEOジャン-クリストフ・ババンの意向が強かろう——よりマッシブなスタイルのモデルが多い。2016年にリリースされた「ブルガリ・ブルガリ カーボンゴールド」のダークネスな色使いはその顕著な例ではなかろうか。


 そんななか、ブルガリ・ブルガリの起源はゴールドウォッチにある。1975年の「ブルガリ・ローマ」、あるいは77年の「ブルガリ・ブルガリ」スナップバックの市販最初期モデルはともに、ベゼルとミドルケースを一体化させた18Kイエローゴールドの堂々たる体躯であったことを思い出してほしい。


「王侯貴族や限られた階級層の愛好品だったブルガリを広く一般層に」の合言葉で世に問われた原始ブルガリ・ブルガリのピュアネスを知りたければ、ゴールドのモデルを手にすべきだ。アイボリーの文字盤は光にうっすらととけこみ、幅のせまいベゼルには、ごく浅く、BVLGARIのロゴが刻まれている。インデックス、針ともに同系色でまとめているのは、老舗ジュエラーの見識だ。ブランドの基礎哲学を見事に投影した出来映えは、時代を超えた価値に満ちている。


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