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2017
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モンブラン|新作情報!SIHH 2016 ジュネーブサロン

 

2016年、モンブランはブランド創業110周年を迎える。ウォッチコレクションでは、これを記念して、「モンブラン 4810コレクション」が発表された。このコレクションに秘められたテーマは、列強諸国が威信をかけてスピードと豪華さを競い合った20世紀初頭の北大西洋横断航路において活躍した、往時の優雅かつ野心に満ちた人々の思いをタイムピースに封じ込めている。

 新たな野望、新たなチャンス、新たな冒険…、科学や技術が大きく進歩し、世界はそれまで以上に狭くなり、人々は史上かつてなく自由に大陸間を行き来することが出来るようになり、遠洋定期船(オーシャンライナー)の「黄金時代」が到来した。世界貿易や大陸横断旅行が隆盛を迎えると、ヨーロッパの港町も新たな繁栄の時代が訪れた。

 モンブランの揺籃期、創業者の一人、エンジニアのアウグスト・エーベルシュタインは、商人のアルフレッド・ネへミアスと企業家のクラウス・フォスに出会い、3人は創業の地、ハンブルクから大西洋を渡りアメリカを目指し、開拓者精神によって団結した彼らは、やがてドイツに戻り、インク漏れの無い画期的なピストンコンバーターを備えた「シンプロ・フィラー・ペン」で、高級筆記具の世界に革命を巻き起こした。2年後、欧州最高峰モンブランにちなみ、最高の性能、最高の品質、最高のクラフツマンシップを追求する彼らの理想を象徴するものとして同社の名が付けられたのが全ての始まりである。

 3つの110周年記念モデルも含む、新たな「4810 コレクション」。その「4810」とは、創業者たちの物作りの理想を投影したモンブランの標高にちなんだもの。ヨーロッパ最高峰の標高をあらわすこの数字は、今日もモンブランが製造する筆記具・時計・レザーアイテムなどに刻印され、創業当時の熱き想いを今に伝えている。

 スピード新記録を樹立した船に贈られる権威ある賞として今でも知られている「ブルーリボン賞」を贈られる船は、最高水準の技術を惜しげも無く注ぎ込んだ強力なエンジンを持つばかりでなく、各国の工芸美術の粋を集めた豪華な船内と、力強さとエレガントさを併せ持つ端正な美しさを誇っていた。多くのブルーリボン保持船が「海の女王」や「北大西洋の貴婦人」などと称えられたのも、そのスマートで威風堂々たる麗姿ゆえである。創業者たちの祖国ドイツでは、ハンブルグを母港にした名船ドイッチュランド号(1900年から1903年にかけて4度受賞)、クロンプリンツ・ヴィルヘルム号(1901年受賞)などのブルーリボン保持船が母港ハンブルクに繁栄と栄誉をもたらした。

 「4810 コレクション」は、創業者たちが憧憬の目で見つめたであろう、技術と美の粋を尽くした‘浮かぶ宮殿‘としてのブルーリボン保持船の完璧な麗姿にも敬意を払い、力強さとエレガンスを見事に両立させたデザインに仕上がっており、コレクションの上位モデルである独自開発のコンプリケーションウォッチは、当時の高速客船さながらに、複雑で研ぎ澄まされたメカニックをそのラグジュリアスで物静かな佇まいの中に秘めたものとなっている。

 そもそも、このコレクションの元となったのは2006年に発表され好評を得た「スター 4810 コレクション」。ドレッシーでありながら精悍な魅力を併せ持った人気作だ。モンブランの白い星型のブランドシンボルマークのシルエットが波紋のように広がる独自のギョーシェも特徴的で、創業者たちの理想や創業当時の技術革新へのオマージュを、この4810コレクションに託している。

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